ボローニャには十日間駐在し、最初の三日間はイベントでした。その後は劇場で打ち合わせを詰めたり、関係者の方にあちこち案内してもらったりもいたしましたが、そういつも誰かに同行をお願いするわけにも行きません。致し方なく簡単なお買い物イタリア語をいくつか教えてもらって、1人マッジョーレ広場に出掛けた時はかなりドキドキ致しました、だって本当に日本語しか話せないんですもの。それにお国のルールも分からない。おまけに地理もあやふや。
それでも通訳さんに貰った観光地図片手に、持ち前の感覚でアッチだ、とテクテク歩ける範囲で、すっかりお気に入りになって2回参詣した聖ステファノ大聖堂では修道士さん相手にお土産買ったり、日常雑貨店や市場に立ち寄ったり、宿がコンドミニアムでコンシェルジュなどいないので、食事も自前でなんとかしたりしました。備え付けの常備品もありましたが、やはり新鮮なものを食べたいわけです…エスプレッソマシンは助かりましたが。夜はさすがに1人では出掛けなかったものの、おかげさまでボローニャに暮らしている気分はなんとなく得られました。
部屋のバルコニーから眺める風景にも馴染んだところでボローニャともサヨナラです。ボローニャは教会だらけと言っていいほど、特に旧市街には古い教会が密集していて、朝と夕方、アチラコチラの教会から鐘の音が届きます。帰国する時は、この音が聞けなくなるのが残念に思うほど、ボローニャが好きになっていました。
帰国後、ボローニャとのやりとりはネット確定だったので、事前にタイトなスケジュールなこともあり、得意なモノクロ絵での提示であること、全てラフ無しの一発描きであることを了承をもらいました。責任は掛かりますが、物語を仕切るには豪腕を以て楽しむことが必要な場合があります。漫画は見た人が楽しいと感じてもらうメディアです。それは作家も楽しく作品世界に没入してこそ。
表示される際は最低でも3メートル幅とのことで、そのサイズに耐えられる絵にすることも気合と体力が必要です。
架空のボローニャで、めいっぱい生きるフィガロを描きたいと思います。
コンセプトを明確にするための見開き漫画。
通訳さんがセリフを訳してくださいました。有難うございます。
オマケ1。現地からのリアルタイムなツイート他をまとめたもの → ボローニャの旅
オマケ2。トイレの情報。現地では旧ボローニャ大学を勧められましたが、個人的にうろついた結果、市立考古学博物館/Museo Civico Archeologicoが空いていてお勧めです。所蔵品もローマの遺物が有り余ってる感じで面白かったです。