ここはイラストレーター槻城ゆう子のブログです。
お仕事情報や日々思うことを、気まぐれに書いていきたいと思います。+++2007.1.1 start+++
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ボローニャ旅〜「セビリアの理髪師〜IL BARBIERE A FUMETTI」2

海外旅行は数えるほど、日本語しか話せない槻城が無謀にも単身ボローニャへ出向いたのは、実際の街の空気を知りたかったのと、ご招待くださったボローニャ大学の方も、街を見て構想してほしいと仰ったので、そこは意義を見つけたく参った次第。

 

滞在最初の三日間は、制作発表会をしたバラッカーノ小劇場にて「NipPop 2017」の見学が中心。主に日本の漫画やアニメ、ゲームや映画などのサブカル文化を紹介するイベントで、今年は「日本の化物や妖怪がテーマ」。怪奇作品やホラー的なCMなどを考察した講座が、修道院でもあった元教会の劇場内の各小部屋で開かれたり、アーティストが地獄絵的な絵を描くパフォーマンスなどをしておりました。イベントでは、僭越ながら初めてコスプレ審査員をやらせてもらいました。レイヤーの皆様のキャラへの愛は日本人のそれと同じで、よく作品をご存知なのが見て取れて可愛かったです…いちおう知ってる作品たちでよかった。

槻城はというと、街の観察が仕事でもあったので、イタリアらしいカラッとした陽気のもと、劇場の中庭に設置されたテーブル席で通訳さんや入れ替わりに訪れるゲストさんたちと他愛もないおしゃべりしたり、ケータリングの食事をつまんだりしてノンビリ過ごしておりました。ボローニャは、フランスと近いのでオリーブオイルよりバターを使うことが多いそうです。色んな方とお話しましたが、中でも美しい日本語を流暢に話されるアメリカ人が、その場で数人を前に妖怪ミニ講座を初めたのにはびっくり。彼はカルフォルニア大学で日本民俗学を研究している、マイケル・フォスター博士という妖怪関係者で知らぬ者はいないだろう有名人でした。マイケルさんとは日本の民俗学や神道の話をしたり、観光をご一緒したり少し仲良くさせてもらいました。帰国後に小論を送ってもらいましたが、英語圏でも妖怪はYOUKAIだそうです。他にも通訳さんを交えてイタリア人女性とお話していたら、「日本行ったこと有る、熊野で御守貰った」と御守を見せてくれたので、普通に「チャーム」とか「ラッキーアイテム」と言えばいいのに「タリスマン」と口走ってしまい、なぜか「セフィロト」「エクソシズム」「カバラ」「グノーシス」などの単語が飛び交いはじめ、そちらに明るくない通訳さんをどんどん置いてけぼりして、私と女性だけでほくそ笑みあい、通訳いらずになったのは面白かったです。

   

ボローニャの中心地「旧市街」は、昔の城壁に囲まれた区域。テラコッタカラーの中世の町並みが残るとても美しい街で、13世紀頃の教会などがいくつも有って、ファンタジーイラストレーターでもある槻城は、目に入る物すべてにうっとりでした。ご用意くださったコンドミニアムも旧市街のほぼ中心、マッジョーレ広場にほど近い所にあり、古い建物をリノベーションした素敵なお部屋でした。それもバルベリア通りに。これは主催者側も気が付いていなかったみたいで、「セビリアの理髪師」だからこの通り沿いの宿を用意したの?と聞いたら、あっ!とばかりに目を見開いていました。Barberia(バルベリア)とはbarber(バーバー)、つまり床屋の事。しかもオーナーがローザさんで、ヒロインのロジーナ(薔薇)に掛かっているという凄まじい韻の踏み方なのに偶然とは…神様の結んだご縁なのかな?と、一人異国の地でプロジェクトがうまくいくように祈願したのでした。

   

とまぁ昼間はイベント見学、時折抜けては12〜13世紀には100本も建てられ現在唯一残ったという12世紀の2つの塔を眺めたり、1088年に創立されたヨーロッパ最古の大学旧ボローニャ大学で使用中の教室を見学させていただいたり、ジェラート食べたりバルのテラス席でカンパリ飲んだり、たくさんある教会を行く先々で覗いたり…郊外の丘の上のサン・ルカ教会には車で連れて行ってもらったり、本物のイタリア軍やカラビニエリ(は写真を撮ると怒られるので…)を眺めたり、見るものすべてがとても刺激的でした。常時、フィガロがここに住んでいたらどう行動するだろう…と考えるのは創作の楽しみです。

   

ボローニャで特徴的なのは、ポルティコと呼ばれる独特なアーケード。それは巡礼の道でもあり丘の上のサン・ルカ教会まで続いていているそうです。ポルティコは全長53kmとも言われていて13世紀頃?から何世紀にも渡って作られ続け、様式も装飾も色々。市内観光するだけで石造りの歴史ある建造物がそこら中にあるという、中世好きにはたまらない街がボローニャでした。あと食べるものが全て美味しい、特にハムとチーズ!

   

常々百聞は一見にしかずと思っているので、ボローニャに身を置けたのはとても良かったと思いました。

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