ここはイラストレーター槻城ゆう子のブログです。
お仕事情報や日々思うことを、気まぐれに書いていきたいと思います。+++2007.1.1 start+++
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「IL BARBIERE A FUMETTI 漫画セビリアの理髪師」

イタリアはボローニャ、バラッカーノ小劇場の実験的プロジェクト、日本の漫画とイタリアのオペラのコラボ作品「IL BARBIERE A FUMETTI」のヴィジュアル担当を務めさせて頂きました。イタリアではオペラは古典であるため敬遠されやすいらしく、もっと気軽にオペラを楽しんで欲しいとの期待から、親しみやすい漫画とのコラボを企画されたそうです。この辺の事情は、日本で能や狂言が難解にみられ、鑑賞マナーなどに敷居の高さを感じてしまうのに近いのかな?と思います。イタリア国内のツアーに合わせ、小学校などでも公演をしたいと希望されてました。この公演で、新しく興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいです。

 

「IL BARBIERE A FUMETTI」は、物語を演技と歌で語る歌手がいない公演ということで、絵で物語の進行を解りやすくするために槻城がシナリオを再構成して絵にしました。元々「セビリアの理髪師」はラブコメで、槻城はラブコメ漫画家だったりもします。一枚絵では割と重めと言われがちな槻城ですが、漫画ではコミカルな表現も好んで使うので、両方の手法を交えて緩急をつけて解りやすく致しました。相手がロッシーニだからってやってやれないことはない…と思う。

〜簡単なあらすじ〜

とある未明の街に、美しいヒロインに一目惚れして追っかけて来た若き伯爵。ヒロインが住む屋敷を見つけ、窓に向かい恋の歌を歌い誘うが応答はない。そこへ街の便利屋フィガロがやって来て(そもそもなぜこんな時間に…邪推)伯爵と出会い、伯爵はヒロインが女相続人で有り醜悪な後見人の医師に監禁されていると知る。医師は事もあろうにヒロインとむりやり結婚するつもりだった。フィガロは伯爵に報酬を約束してもらい、恋の応援を請け負う。…ここから変装や、フィガロの奸計で医師を出し抜いたりすったもんだが数回。ヒロインが自分が騙されていると思い込み自暴自棄になりそうな頃、変装した伯爵が恋する姿なき相手であったことに気づきハッピーエンド。

 

…ごめんよ、ロッシーニ。

簡単に…本当に簡単に…解りにくいエピソードをばっさり削ぎ落として簡単にしました。時間軸と距離感も分りにくかったので整えました、元のお話を変更せず、出来るだけ簡単に…あ、簡単じゃなくてシンプルと言えばいいのか。

   

(絵のところどころに付けられた色は、劇場のアートディレクターの手によるものと思われます。)

 

これまで演じられてきた登場人物たちの造形は、言ってみればバタ臭い年齢高めの設定のものが多かったようです。しかし槻城フィガロは、槻城の好み100%で造形させていただきます。街の皆んなに慕われる器用気さくな粋な青年、嫌味なく貴族に対しても臆さない軽やかさを持ち、そして黒髪だ!…というのもフィガロの王道のイメージカラーは黄金なんですって。いやいや黒でしょ、黒カッコいいでsy…「OK!カッコいい!」とクライアント(イタリア人美女)から、かなり食い気味に了解を得られたのは嬉しかったです…。対してアルマヴィーヴァ伯爵は元はフィガロより年上の少々高慢ちきな裕福な貴族(しかも髪色が青!)。でも、わざわざ国をまたいでヒロインを追っかけてくるような裕福な貴族が、奥手というのはいささか価値基準が疑問。そこで、裕福だが若く世間知らずではあるけれど、ヒロインに対しては一途…(続編モーツァルトの「フィガロの結婚」では、フィガロの婚約者に手を出そうとする不埒者になるけど)…という塩梅に。ロジーナも定番は美女で烈女…こちらの妖艶なイメージも嫌いではありませんが、あくまで槻城ラブコメのヒロインであることと、伯爵とのバランスもあり華奢だけど芯のある少女に。彼女のシーンはいつも光が有るようなイメージに。名前が薔薇由来なので、衣装にも薔薇を。ヒロインと伯爵を幼さのあるキャラクターに設定することで、フィガロは報酬のためも有るが、可愛い二人の恋を応援をする兄貴的立ち位置で動いてもらうことにしました。

 

 

8月19日?バラッカーの小劇場中庭で初日の公演が滞りなく行われたとの知らせが届きホッと致しました。残念ながら見に行くことは出来ませんでしたが、なかなかに好評だったとのことでよかったです。初日を皮切りに、既にイタリア国内でのツアーが決まっているそうです。そして出来たら日本でも公演したいとのこと。その機会が訪れたなら、日本の友人らにも見てもらえるので嬉しいですね。

 

ご覧になった方々が笑顔になるような公演でありますように。

 

ボローニャの新聞紙に紹介されました。

他にも、色々なイタリアのメディアで紹介されたようです。

 

辻仁成さんが編集長を務めるWebマガジン「Design Stories」に、現地で初日をご覧になった荒川はるかさんが記事にしてくださってます。「ボローニャの夜を沸かしたポップな「セビリアの理髪師

 

■ジャンバッティスタ・ジョコリ氏による曲目リスト■

 

01・Sinfonia

第1幕第1場
02・Introduzione:Piano,pianissimo,senza parlar
03・Cavatina:Ecco ridente in cielo
04・Oh sorte!
05・Signore conte
06・Mille grazie mio Signore...

07・Cavatina:La ran la lera...Largo al factotum
08・Duetto: All'idea di quel metallo
09・Numero quindici a mano manca
10・vivace

 

第1幕第2場
11・Cavatina: Una voce poco fa
12・allegro
13・Aria: La calunnia è un venticello
14・Duetto: Dunque io son... tu non m'inganni?
15・Finale 1: Ehi di casa!... buona gente
16・Che casa accadde
17・Mi par d'essere con la testa

 

第2幕
18・Aria: Contro un cor che accende amore
19・allegro
20・Quintetto: Don Basilio/Casa veggo!
21・bravissimo
22・Bricconi, birbanti!
23・moderato
24・allegro
25・Aria: Il vecciotto cerca moglie
26・Temporale
27・Terzetto: Ah! qual colpo inaspettato
28・Zitti, zitti, piano, piano
29・Finaletto 2: Di si felice innesto

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